Abstract

 人の生活空間には,移動する人,表面に凹凸のある床や壁,硬さが一様でない物体など,予測困難な外乱が多く存在する.このような複雑な環境でロボットが活動する場合,これらの環境中の要素との接触を回避することは困難である.このような環境であってもロボットが安定して動作するためには,環境との物理的なインタラクションを可能にする柔軟な身体構造を持つ必要がある.本研究では,人の筋骨格構造を模倣した,高自由度かつ冗長なアクチュエータを持つ上肢帯ロボットを開発した.肩甲胸郭,肩,肘関節から構成される骨格構造を,冗長に配置した空気圧シリンダによって駆動することで,人の上肢帯と同等の可動域を実現した.また,これらの空気圧シリンダの一部をチューブによって物理的に接続することで,一つの関節から他の関節へ,空気を介して力を伝達する「空気圧シリンダの連動連結メカニズム」を提案した.各関節を駆動する空気圧シリンダを多関節筋のように用いることで,外力に対するロボットの受動的なダイナミクスを変化させることができる.本論文では,オープンループで人型上肢帯ロボットを駆動することにより,いくつかの接触を含むタスクや投球動作を実現できたことを報告する.さらに,連結された空気圧シリンダの接続された空気室内の圧力の変化が,筋骨格ロボットの応答にどのような影響を与えるかを調査した.
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